ウィブルアプリのオプションのページには複数の指標が掲載されています。「建玉」は、オプション取引を行う投資家にとって最も有用な指標の1つであり、そこに大きな変化があれば、それはオプション市場の異変を警告するものです。
株式のある銘柄の発行済み株式数は、増資などの特別なイベントがなければ固定されており、通常、変わることはありません。これに対し、その株式を原資産とするオプションの契約数には上限も下限もありません。
「建玉」とは、特定の日に決済されずに残ったオプションの総数を指します。
オプション建玉は、新規に取引されれば増加し、決済されるか、精算されると減少します。そのため、新規取引の数も決済取引の数も両方がカウントされて増えていく「出来高」とは異なる指標になります。
リアルタイムで計算される出来高とは対照的に、建玉はリアルタイムの取引データではないことを覚えておきましょう。正式な建玉は、OCC(オプション・クリアリング機構)によって市場終了後に計算され、そのデータは市場終了から約7時間遅れて発表されます。
例えば、取引時間中に以下のオプションの詳細をチェックしているとしましょう。9980という市場建玉の数量は、前取引日の終了時点でいくつのオプションが残っていたかを示しているに過ぎません。ウィブルアプリでは、取引終了後1時間も経たないうちにその日の実際の建玉を確認することができます。
オプション・チェーンを詳しく見ると、建玉の分布が権利行使価格や満期日によって異なっていることが分かります。期限の長いオプションや、権利行使価格から遠く離れたイン・ザ・マネー(ITM)/アウト・オブ・ザ・マネー(OTM)のオプションは、一般に建玉が少なく、取引頻度や流動性が低いものです。個人投資家の中には、建玉が多く、流動性が高くて、適切な価格で注文しやすそうな銘柄に注目する人もいることでしょう。
ウィブルアプリでは、次の2種類の建玉ランキングリストをご覧いただけます。銘柄ごとの市場建玉合計のランキングと、各オプションごとの市場建玉のランキングです。
建玉の数字の変化を分析することで、市場動向についていくつかの結論を導き出すことができます。建玉の大幅な増加は、新たな資金が市場に流入していることを意味し、現在の市場のモメンタム(上昇、下降、横ばい)が続く可能性が高いことを示しているのでしょう。
一方、建玉の大幅な減少は、資金が流出していることを示し、現在の相場のトレンドが終わりを迎えつつあることを示唆しているのかもしれません。
もちろん、建玉は1つの指標に過ぎません。オプション価格にはさまざまな要素が絡んでおり、背景分析を行わないまま、単純に1つの変数だけに頼ることはできません。
建玉の数が多いことや建玉数の著しい変化を見つければ、オプション市場で何か異変が起きていることが把握できます。しかし、これだけで値動きを予測することはできません。プット・コール・レシオなど他の指標と組み合わせることで、投資家はセンチメントをより深く洞察し、より多くの情報に基づいた投資判断を下すことができます。
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免責事項:表示されているすべての銘柄は説明のために示したものであり、取引を推奨するものではありません。