時間的価値は「外部価値」とも呼ばれ、オプションの市場価格から本源的価値を差し引いて計算されます。時間的価値は継続的に減少し、最終的には満期時にゼロになります。時間的価値の減少の詳細を見てみましょう。
オプションは減価する資産であり、購入時からその価値は時間的価値の減少により継続的に減少していきます。ギリシャ文字のセータは、時間的価値の減少を表す指標です。
具体的には、セータは、他のすべての条件が等しい場合に、1日で減少するオプションの価値の目安を表しています。オプションの買い手にとって、そのポジションのセータ値は不利なものであり、それは購入したオプションが満期日が近づくにつれて時間的価値を失っていくことを示しています。一方、オプションの売り手にとってポジションのセータ値は有利な要素です。オプションの売り手は時間的価値の減少から利益を得ることができます。
例えば、満期まで 60日の「満期日2022年12月16日 権利行使価格160ドルのAAPLのコール」を1株当たり1.87ドル、合計187ドルのプレミアム(オプション価格)で買ったとします。このオプションのセータは-0.0424であり、株価やボラティリティなど、他に何も変化がないと仮定した場合、1日経過すると4.24ドル(=0.0424ドル×100)の価値を失うことを意味します。
ご存知のように、満期までの期間が長ければ長いほど、オプション価値には時間的価値が残っています。セータ値は満期が近づくにつれて変化し、権利行使価格によって異なる動きをします。
ITM/ATM/OTMコールの有効期間中にセータ値がどのように動くか、ウィブルアプリのオプション計算機を使用した以下のチャートを見てみましょう。
例:原資産のSPY(SPDR S&P500 ETF)は357.65ドルで取引されています。
* 計算例はあくまでも説明のためのものです。
上のチャートを注意深く見てみると、他のすべての要素を一定に保った時、満期日が近づくにつれて様々な権利行使価格でセータがどのように動くかがより明確に分かります。
満期日が近づけば近づくほど、ITM/OTMオプションの結果は見えてきて、時間的価値は低くなります。したがって、OTM/ITMオプションの場合、満期に近づくにつれてセータ値の絶対値は小さくなります。
上記の例は、株価とインプライド・ボラティリティ(IV)を一定に保った場合のセータ値の理論的な変化を示しているに過ぎません。ただ現実の世界では、通常、そのように相場は動きません。インプライド・ボラティリティと株価の両方が変化すると、オプションの時間的価値に影響を与え、その結果、セータ値も変化します。
前述のとおり、セータは、オプションが日次ベースでどれだけ価値を失うかを測るために使用されます。セータは、オプションをロングしているか、ショートしているかによって、不利にも有利にも働きます。買い手も売り手も、オプション・ポジションの管理にセータ値を利用することができます。
オプション投資家は、時間的価値の減少と他のリスク要因とのトレードオフのバランスを取る必要があります。
例えば、翌週に満期を迎えるATMコール・オプションをロングしているとしましょう。
ATMのコール・オプションは、ITMやOTMのオプションよりも高い確率で時間的価値を失う可能性があり、この影響は満期が近いほど大きくなります。株価が上昇したとしても十分には上昇しなかった場合、本源的価値の増加は、時間的価値の減少によって相殺されてしまいます。原資産の株価の動向を正しく予測したにもかかわらず、ロング・コールのポジションで大きな損失を被る可能性もあるのです。
セータの基本的な理解を深めることは、オプション取引戦略について、より多くの情報に基づいた意思決定を行う上で役立ちます。学べば学ぶほど、オプション・グリークスの相互作用をよりよく理解できるようになります。
実践してみることは、オプション取引におけるセータの応用をさらに理解する優れた方法です。オプションデモ取引は、2つの基本的な買い戦略(ロング・コール/ロング・プット)と2つの基本的な売り戦略(カバード・コール/現金担保プット)をサポートしています。
自分の戦略がセータの影響をどのように受けるかを実際に体験したい場合は、デモ取引を始めてください。そして、セータを使ったデモ取引の結果と経験をコメントで共有してください。
免責事項:表示されている取引例はすべて説明のためのものであり、投資を推奨するものではありません。